旧日本住宅公団と旧住宅・都市整備公団名義の抵当権や買戻権の抹消登記を行う場合、事前に(同時に)権利承継の手続をする必要がある場合があります。

それは、これらの公団が昭和56年10月1日に合併して住宅・都市整備公団が発足し、その後、平成11年10月1日に都市基盤整備公団が設立され、同日住宅・都市整備公団が解散、次いで平成16年7月1日に都市基盤整備公団が解散し、同日新たに独立行政法人都市再生機構(UR)が発足したことによります。

といっても、はっきり言って一般の方々には良くわからないお話になるかと思います。

要するに、旧日本住宅公団と旧住宅都市整備公団の名義で抵当権や買戻権が登記されている不動産の抵当権・買戻権の抹消登記をする場合、上記の公団等の再編の関係で、権利の承継があった旨の登記を申請しなければならない、ということなのですが、これより先は、主に同業者の方に向けたお話になってしまうかもしれません。

この権利承継登記の必要の有無については、抵当権・買戻権抹消登記の原因日付によることになります。

1)日本住宅公団名義の抵当権・買戻権抹消登記の場合

  • 抹消登記原因日付が昭和56年9月30日以前の場合  → 権利承継登記不要で抹消登記申請可
  • 抹消登記原因日付が平成56年10月1日以降の場合  → 権利承継登記が必要

2)住宅・都市整備公団名義の抵当権・買戻権抹消登記の場合

  • 抹消登記原因日付が平成11年9月30日以前の場合  → 権利承継登記不要で抹消登記申請可
  • 抹消登記原因日付が平成11年10月1日以降の場合  → 権利承継登記が必要

3)都市基盤整備公団名義の抵当権・買戻権抹消登記の場合

  • 抹消登記原因日付が平成16年6月30日以前の場合  → 権利承継登記不要で抹消登記申請可
  • 抹消登記原因日付が平成16年7月1日以降の場合   → 権利承継登記が必要

なお、上記権利承継の登記は、基本的には独立行政法人都市再生機構からの嘱託によって登記されることになります。

以下、嘱託書の一例です。

登記嘱託書

登記の目的 抵当権移転
移転すべき登記 平成2年3月4日受付第5678号
原   因 平成11年10月1日都市基盤整備公団法附則第6条第1項により権利承継
平成16年7月1日独立行政法人都市再生機構法附則第4条第1項により権利承継
抵当権者 (被承継者 住宅・都市整備公団)
横浜市中区本町六丁目50番地1
独立行政法人 都市再生機構
添付書類  官報の写し(省略)
平成  年  月  日 嘱託  地方法務局
嘱託者   横浜市中区本町六丁目50番地1
      独立行政法人 都市再生機構
代理人 都市太郎
登録免許税 登録免許税法第4条第1項により非課税
不動産の表示 省略

 

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