相続登記の申請の際の添付書類として、「相続を証する情報」を提供しなければなりません。

一昔前の平成17年の不動産登記法の改正前は「相続を証する書面」と呼んでいましたが、この改正以後は登記のオンライン申請ができるようになったことから基本的に従来の「書面」は「情報」という用語に置き換わっています。

一般の方にも分かり易いよう、この「相続を証する情報」とは何かということを一言で説明するなら、「誰が亡くなって誰が相続人なのか」を客観的に証明するための戸籍類、とでも言いましょうか。多少不正確な表現かもしれませんが、その点は御容赦ください(特に同業者でこのサイトをご覧の先生方、何卒ご理解ください)。

では、相続登記を申請する際に必要な相続を証する情報(書類)とは具体的には何なのか、それによってどんなことを証明するのか、ということについてご説明します(なお、個別の事情は考慮せず、法定相続どおりに相続登記をする場合を想定しています。)。

1.相続が開始したことの証明

相続は、死亡により開始しますから、相続が開始したことを証明するために、被相続人の死亡の事実が記載された戸籍(除籍)謄本が必要となります。

2.登記記録に記載された所有者と故人が同一人物であることの証明

登記記録上に所有者として記載された者と故人が同一人物であるかどうかは、基本的には住所と氏名が一致しているかどうかで確認することになります。本籍地や生年月日などは、もともと登記事項となっていないため、相続登記の際の審査の対象とはなりません。
一般的には、故人の住民票除票を添付すれば証明としては十分ですが、登記名義を取得した時点と死亡時の故人の住所が異なっている場合には、それが確認できる戸籍附票などが必要となります。

3.他に相続人がいないことの証明

故人の死亡時から出生に遡るまでの戸籍、原戸籍、除籍謄本が必要となります。
戸籍は、法律の改正や転籍などで新しいものに作り変えられることになりますが、その際、従前の戸籍に書かれていた内容の全部が新しい戸籍に移されるわけではありません。したがって、亡くなった方の相続人が他にいないことを証明するためには、亡くなった方の出生までの戸籍を添付する必要があります(出生までのすべての取得が困難な場合、子供を設けることができる年齢として12歳前後からの戸籍でも構いません)。

4.相続開始時に相続人が生存し、かつ、相続人資格を失っていないことの証明

法定相続人が故人より先に死亡しているとすれば、その法定相続人は相続人とはなり得ません。ですから、相続が開始した時点で、相続をする相続人が生きていたことを証明する必要があります。また、被相続人から相続の廃除をされている場合、その旨が戸籍に記載されることになります。そこで、相続人自身の戸籍謄本を添付することになりますが、相続開始時に生存していたことと相続人資格を失っていないことを証明する必要がある以上、その戸籍は相続開始後に作成されたものであることが必要です。なお、相続放棄をした相続人がいる場合には、家庭裁判所が相続放棄を受理した旨の証明書(相続放棄申述受理証明書)も添付する必要があります。

まとめ

いかがでしたか。

相続登記を申請する際に必要となる「相続を証する情報」は、単に自分が相続人であることを証明するだけではなく、以上4点すべてを証明する書類ということになります。

なお、相続登記を当事務所にご依頼いただきますと、相続を証する情報は当事務所がお客様に代わって取得させていただきます。

相続登記をご検討中の皆様、お気軽にご相談ください。

 

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