相続分のないことの証明書とは、相続人の中に既に自分の相続分以上の財産を生前贈与や遺贈で受け取っている者がある場合に、その相続人が、自分にはもう相続する分はない、ということを証明するため書面のことです。

この証明は、遺産分割協議や相続放棄の手続によることなく、特定の相続人の相続分がないことの証明となるため、かつては登記実務の世界でよく使われてきた手法です。

しかし、本当にそのような遺贈や生前贈与が行われていたのであれば問題ないものの、単に手続上簡単だから、とか、遺産分割協議書を作るのが面倒だからといった理由でこの証明書を作成し、登記などの手続を行うことは、適切ではありません。

実際に、特に贈与や遺贈を受けた心当たりも事実もないのに、相続分がないとの証明書にサインするよう求められ、相続人間でトラブルになった事例も少なくありません。

相続分のないことの証明書で簡単に相続登記ができると説明する司法書士は信頼に値しないものと考えられますので、ご注意ください。

相続分のないことの証明書のサンプル

相続分のないことの証明書

私は、被相続人田中○郎(平成28年○月○日死亡、本籍:埼玉県東松山市箭弓町○丁目○番地、最後の住所:埼玉県熊谷市○町○丁目○番○号)から、生計の資本として財産の贈与を受けており、被相続人の死亡による相続については、受け取るべき相続分が存在しないことを証明します。

平成28年○月○日

住 所 埼玉県比企郡吉見町大字○町×番地

相続人 田 中 ○ 介 

 

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