負担を付けて特定の者に財産を相続させたいとき
特定の相続人に財産を相続させる場合、その代わりとしてあることをその相続人に負担として求めることができます。
たとえば、財産を子供に相続させる代わりに高齢の妻の扶養義務を負担とする場合などがあります。
この場合、相続人がその負担を履行しないときは、他の相続人はその履行を催告することができます。
また、催告をしてもその負担がきちんと履行がされないときは、他の相続人はその負担付の相続させる旨の遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができます。
遺言書サンプル
ここでは、事例に応じた遺言書のサンプルをご紹介します。
自筆証書遺言を作成する場合にお役立てください。
ただし、遺言の内容は故人の最終意思を遺すことが第一の目的ですから、あくまでも参考程度にとお考えください。
遺 言 書
私は、次のとおり遺言する。
１、私は、長男田中○男に下記の財産を相続させる。
（１）所 在 東松山市箭弓町二丁目
地 番 ○番○
地 目 宅地
地 積 ○○㎡
（２）埼玉○○銀行東松山支店の遺言者名義の預金全部
２ なお、長男田中○男は、上記財産を相続することの負担として、妻田中○美が死亡するまで同人と同居し、扶養すること。
※相続人が負担を履行しないときは、他の相続人はその履行を催告することができます。また、履行がされないときは、その負担付の相続させる旨の遺言の取り消しを家庭裁判所に請求することができます。
２、この遺言の遺言執行者として、下記の者を指定する。
埼玉県東松山市箭弓町二丁目２番１２号山口ビル３階
司法書士 田 中 聖 之
（以下、省略）
私は、上記のとおり遺言したので、全文を自書で書き下ろし、署名押印する。
平成○年△月□日 ※日付は必ず必要です。
埼玉県東松山市○町○丁目○番 の自宅にて
遺言者 田 中 ○ 郎 印 ※印鑑はなるべく実印を使用します。
