お墓の所有者について相続が開始した場合、当該お墓について相続登記(相続を原因とする所有権移転登記)を行うことがあります。

一般に、相続を原因とする所有権移転登記を申請する場合、固定資産税の評価額の1000分の4の登録免許税が課せられます(詳細はこちらをご参考下さい。)。

ところで、お墓(墓地)については、評価証明書上『非課税』となっていることから、当然、登録免許税もかからないのではないか、と思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

結論から申し上げますと、登録免許税が非課税となる場合もあれば、課税となる場合もあります(結論、にはなっていませんが。。。)

具体的には、下記のようなケースでそれぞれ結論が異なります。

① 評価証明書の記載が「現況=墓地」「登記=墓地」の場合

一番わかりやすいのは、このケースです。
この場合、登録免許税法5条10号の規定により、登録免許税は非課税になります。
面白いのは、この登録免許税法5条の10号は、墳墓地についての登記が非課税となる、という非常にざっくりした規定になっているため、相続による所有権移転登記はもちろん、他の登記(たとえば、名義人の住所氏名の変更登記)などもひっくるめて、全部非課税で済んでしまう、ということでしょうか。

② 評価証明書の記載が「現況=雑種地」「登記=墓地」の場合

この場合、評価証明書上の地目が雑種地となっていても、登録免許税は非課税となります。
つまり、登録免許税の課税の有無は、あくまでも登記記録の上の地目を基準に判断される、ということです。

③ 評価証明書の記載が「現況=墓地」「登記=雑種地」の場合

この場合、登記記録上の地目が雑種地なのですから、登録免許税が課税されます。
具体的には、市区町村役場にて近傍の雑種地等の評価額(㎡単価)を算出して頂き、その額に当該土地の広さを乗じた額を課税価格として登録免許税を計算します。

もっと詳しくお知りになりたい方は、お墓と登記手続の記事をご参照ください。

【参考】 

  • 登録免許税法5条10号の適否は、一応登記簿上の地目によって判断すれば足りるが、現況が火葬場敷地である土地には適用されない。 
  • 評価証明書の現況の地目が雑種地であっても、登記簿上の地目が墓地である場合は、登録免許税法5条10号の規定が適用される(登研519号)。
  • 墓地の所有名義人の住所変更登記についても登録免許税法第5条第10号の適用がある(登研260号)。
 

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