遺産分割協議には、法定相続人全員の関与が必要です。

100人の相続人いたとして、たった1人でも除外してなされた遺産分割協議は無効となります。

遺産分割協議においては、必ず相続人全員の同意が必要なのであり、一部の相続人であっても、同意が得られなければ、協議は不成立となってしまうのです。

その上、遺産分割協議においては、法定相続人以外の者が、遺産分割協議の当事者たる得る地位を取得することがありますので、注意が必要です。

法定相続人以外で遺産分割協議に参加することがある者

1 包括受遺者

包括遺贈とは、遺産の全部または割合を指定して行う遺贈のことです。そして、この包括遺贈を受ける者を包括受遺者といい、包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有すると規定されています。 包括受遺者は、相続人と同様、 遺言者の一身専属権を除くすべての権利義務について遺贈を受けた割合で承継することになるため、遺産分割協議にも参加することができます。

2 相続分の譲受人

相続分の譲渡とは、相続人としての権利(地位)を他人に譲渡することをいいます。相続分の譲渡は他の共同相続人だけに限らず、相続人以外の第三者に対して行うこともできます。そして、相続分の譲渡が行われると、その譲受人は相続人と同じ地位に立ち、相続財産の管理はもちろん、遺産分割協議にも参加することができます。

3 遺言執行者

この場合の遺言執行者は、遺産分割協議の当事者として関与するのではなく、遺言執行に必要な限度で利害関係人として遺産分割協議に関与することができると考えられます。

4 不在者の財産管理人

相続人の一部の者が行方不明の場合のようなケースでは、家庭裁判所において当該相続人について不在者の財産管理人を選任してもらうことで、当該不在者の財産を売却したり、抵当権を設定したりするなどの処分行為(権限外行為)を行うことができます。なお、不在者の財産管理人が遺産分割協議に参加するについては、家庭裁判所の許可が必要となります。

5 未成年者の法定代理人や特別代理人

未成年者は、自ら遺産分割協議を成立させることはできませんが、その法定代理人が代理することで遺産分割を行うことができます。また、その法定代理人自身が相続人となっている場合のように、未成年者と利益相反となってしまう場合には、未成年者について特別代理人を選任してもらい、当該特別代理人が未成年者の代理人となって遺産分割協議を成立させることができます。

6 成年被後見人の成年後見人

相続人が成年被後見人である場合、当該相続の成年後見人が被後見人を代理して、他の相続人と遺産分割協議を行うことになります。

7 委任を受けた代理人

遺産分割協議であっても第三者に委任をすることで代理人を立てることができます。たとえば、弁護士を代理人として遺産分割協議をするケースなどを相続していただければイメージし易いでしょう。

8 相続人の破産管財人

相続人の一人が相続開始後に破産手続開始決定を受けた場合、裁判所の許可を得て遺産の分割の協議に当事者として参加することができます。

 

司法書士による無料相談受付中!

司法書士田中事務所では、相続登記(土地建物の名義変更)遺言書作成相続放棄成年後見生前贈与財産分与抵当権抹消などの手続に関する無料相談を行っています。

ご相談はお電話はもちろん、専用フォームからも24時間受け付けております。

土日・夜間のご相談も可能です。

お問い合わせ