前回の投稿では、二重相続資格者の相続分と相続登記の関係についてご紹介しました。

本日は、二重相続資格者が、相続の放棄をした場合の相続登記の実務についてご紹介します。

同順位の相続資格者が相続放棄をした場合

事例)
被相続人Xには、子供Aと子供Bの2人の子供がいました。Aは弟であるBを養子にしています。
その後Aが死亡し、次いでXが死亡しました。
この場合に、BがXの子としての相続を放棄したときに、BがAの代襲相続人として相続することができるのでしょうか。

回答)
この場合、登記実務では、二重資格者のひとつの資格に基づく相続放棄は、すべての資格に及ぶものとして扱われています(昭和41年2月21日172号回答)。つまり、事例のBはXの子としても、Aの代襲相続人としても、相続放棄をしたことになります。

異順位の相続資格者が相続放棄をした場合

事例)
被相続人Xには妻Aと弟Bがいます。XとAには子供がなかったため、Xは弟Bを養子にしました。
その後Xが死亡して相続が開始したところ、弟Bは先順位である子供としての地位に基づきXの相続を放棄しました。
この場合に、BがXの兄弟姉妹として相続することができるでしょうか。

回答)
この場合、先順位での相続放棄は、後順位での相続についても放棄したものとして取扱われます(昭和32年1月10日61民事局長回答)。なお、学説や一部の判例には、これと異なる見解に立つものもあります。

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