相続登記の登録免許税とは、相続登記を申請する際に課税される税金です。
一般的には、土地や建物の固定資産税の評価額に1000分の4を乗じた金額を納付する必要があります(つまり、1000万円あたり4万円ということです。)。
この登録免許税、実は平成30年11月15日から平成33年3月31日までの間、一部の相続登記については免税になることがあるのです。
相続により土地を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合
これは、相続又は相続人に対する遺贈により土地を相続したものの、その方がご自分の名義に相続登記をしないままお亡くなりになったようなケースで、後からその方を相続人とするために行う登記については、登録免許税が免税されるというものです。
具体的には、Aさんが死亡し、法定相続分どおり妻であるBさんが2分の1、子であるCが2分の1の割合である土地を相続したものの、その旨の登記をしないうちにBさんが亡くなってしまい、そのBさんの2分の1をCさんが相続し、結局全体をCさんが取得した、といったケースなどが現実には良くありそうです。
このケースでは、AさんからBさんへの2分の1の所有権移転登記分の登録免許税が免税となります。(Cさんへの2分の1の持分移転の部分は原則どおり課税されます)
つまり、この土地の価額が2000万円だったとしますと、免税がなければ、AさんからBさん2分の1、Cさん2分の1の所有権登記の登録免許税が8万円、次いでBさんの持分2分の1をCさんに移転する持分移転登記の登録免許税が4万円で、合計12万円の登録免許税が課税されるのですが、この特例により、AさんからBさんへの2分の1の移転登記分が免税となるため、AさんからCさんへの2分の1の持分移転4万円とBさんからCさんへの2分の1の持分移転の4万円の計8万円で足りる、ということです。
なお、この免税措置を受けるためには、登記申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」となる旨を明記する必要があります。
法務大臣が指定する10万円以下の土地を相続する場合
これは、相続又は相続人に対する遺贈により所有権移転(持分移転)登記を受ける場合、当該土地が市街化区域以外の土地であり、法務大臣が指定する土地のうち、不動産の価額が10万円以下の土地については、登録免許税が免税されるというものです。
この特例が適用される要件は以下のとおりです。
- 土地について行う相続登記であること
- 当該土地は市街化区域ではないこと
- 当該土地が法務大臣の指定を受けていること
- 当該土地の価額が10万円以下であること
- 登記申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第2項により⾮課税」と明記すること
当事務所の地元・埼玉県東松山市近郊であれば、市街化区域外の土地はほぼ指定されているようですので、評価額が10万円以下の土地の相続登記の場合には、登録免許税が非課税になることが殆どのように思います。また、この特例では、複数の土地について一括して相続登記をする場合において、そのうちの一部の土地だけが要件に該当する場合には、該当するその土地については免税となります。
そういった意味では、多少なりとも減税の恩恵を受けることができるお客様がいるかも知れませんが、免税となる金額自体は、そう大きな額とはならないでしょう(如何せん、10万円以下の土地限定ですから。。。)。
なお、法務大臣の指定を受けた土地については、法務局のホームページに掲載されています。詳しくは 法務局・地方法務局のホームページ・連絡先等 (PDF形式 : 9KB) にてご確認ください。
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